スパンモデルとは?見方と売買サインの見極め
DMM.com証券のチャート画面でスパンモデルを表示しています。
一目均衡表を利用されている方は、あまり違和感なく見る事が出来るかもしれません。
さらに、一目均衡表よりもラインの本数自体は少ないので、ゴチャゴチャしている感じも少ないと言えます。
スパンAとスパンBで囲われている部分は塗りつぶされており、一目均衡表にもある「雲」になります。
雲はゾーンと言われ、一般的に赤いゾーンをレジスタンスゾーン、青いゾーンをサポートゾーンと言うようになっています。
FXでトレンドラインなどを引かれたりされる方は、サポートやレジスタンスと聞くとすぐに分かると思います。
サポートゾーンはローソク足をしたから支えているような形ですので、買い優勢の時と言えます。
反対に、レジスタンスゾーンではローソク足を上から抑えているような形になり、売り優勢の時と判断出来ます。
スパンモデルの売買サイン
同じチャート画面で、有効な売買サインが出ている場面となるのは、赤丸で囲まれている部分と言えます。
- 1.スパンAがスパンBを下から抜けているポイントが買いサイン
- 2.スパンAがスパンBを上から抜けているポイントが売りサイン
遅行スパンを合わせるとダマシを少なく出来る
売買サインの図に、遅行スパンがローソク足に下からクロスしたところを付け加えました。
下から遅行スパンがつき抜けていくことを「陽転」と言い、ちょうど赤丸の売買サインが出ている相場が、26日前である過去の相場より強い相場であると、遅行スパンによって分かるようになっています。
一目均衡表の「雲」って理解が難しい…詳しい見所と売買への活用方法とは?
一目均衡表でいう「雲」とは、先行スパン1と先行スパン2の範囲のことです。
チャート上のピンクの線は先行スパン1であり、ピンクの破線が先行スパン2になります。
先行スパン1・2の範囲を雲と呼び、トレードに活用できるのです。
- 雲を利用してトレンドを分析する
- 雲とローソク足の位置を見て売買シグナルを見つける
- 雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を持つ
1-1. 活用法① 雲を利用してトレンドを分析する
分析方法は簡単です。
雲よりもローソク足が上であれば上昇トレンド、下であれば下降トレンドと判断します。
チャートを見てみると、ローソク足は雲の上で推移しているのが分かりますね。
そのため上昇トレンドであると考えられるのです。
1-2. 活用法② 雲とローソク足の位置を見て売買シグナルを見つける
上記の通り、ローソク足が雲より上であれば上昇トレンドで、下であれば下降トレンドです。
ローソク足が雲をブレイクすれば、ローソク足と雲の位置関係は切り替わるので、トレンド転換すると考えられます。
トレンド転換するタイミングでエントリーできれば、大きな値幅を狙うのが可能。
したがって雲のブレイクが売買ポイントとなるのです。
実際のチャートを見てみましょう。
ローソク足は下から上へ雲をブレイクしているのが分かりますね。
1-3. 活用法③ 雲はレジスタンスライン・サポートラインの役割を持つ
水平線やトレンドラインと同様、レジスタンスラインの場合はそれ以上の価格上昇を妨げ、サポートラインなら価格下落を妨げます。
遅行スパンの見方
チャート上で確認できる雲は、レジスタンスラインとして意識されています。
ローソク足の動きを観察すると、雲の直下で反発を繰り返しているのが分かるでしょう。
加えて、 雲を見る時は厚さにも注目してください。
雲の厚さはレジスタンスライン・サポートラインの強さを示します。
1-4. 注意!雲のねじれはトレンドが安定していないサイン
雲のねじれとは、先行スパン1と先行スパン2が交差することです。
チャートを見ると、先行スパン1(ピンクの線)と先行スパン2(ピンクの破線)が交わっているところを確認できるでしょう。
この交差するところを、 遅行スパンの見方 雲のねじれ と呼びます。
雲のねじれは、トレンドが不安定であるサインなので注意してください。
上のチャートでも、雲がねじれているところを2か所確認できますね。
トレンドが不安定になれば、それまで続いていたトレンドは終わり、トレンドの方向が切り替わるのを想定されるのです。
一目均衡表の使い方 FXチャートを極める
基準線 青のラインです。過去26本のローソク足の最高値と最安値の真ん中の値のラインです。その名の通り、一目均衡表の基本となるラインです。 転換線 赤のラインです。過去9本のローソク足の最高値と最安値の真ん中の値のラインです。 遅行スパン 緑のラインです。遅行スパンは、その名の通り、遅れて表示されるラインです。最新のローソク足の終値を、ローソク足26本分の幅だけ左にずらした位置に点を打ち、その点を結んだラインです。 先行スパン1 先行スパンはその名の通り、前にずらして表示するラインです。茶色のラインが先行スパン1です。基準線と転換線の真ん中の値をローソク足26本分の幅だけ右にずらした位置に点を打ち、それを結んだラインです。 先行スパン2 黄緑のラインです。過去52本のローソク足の最高値と最安値の真ん中の値を、ローソク足26本分の幅だけ右にずらした位置に点を打ち、その点を結んだラインです。
以上が一目均衡表の各ラインの解説です。
一つ一つのラインの計算方法を覚える必要は全くありません。
大切なのは、これらのラインを使ってどうトレードするかです。
一目均衡表を使ってトレードする方法
先行スパンの使い方
まずは先行スパンから行きましょう。
価格が先行スパンの上で推移している場合は、上にある方の先行スパンが最初のサポートラインの役割を担います。
また、下にある方の先行スパンは2つめのサポートラインの役割です。 遅行スパンの見方
上にある方の先行スパンが第一の砦、下にある方が第2の砦といったところです。
基準線と転換線の使い方
基準線の傾きはトレンドの方向を示します。
基準線が右肩下がりに傾いているときは下降トレンド
右肩上がりに傾いている場合は上昇トレンド
横ばいのばあいはレンジ相場になることを示します。
FX【一目均衡表】見方と時間論に合わせたパラメーターおすすめ設定と高勝率の手法を解説します!
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一目均衡表とは
他の分析方法との大きな違いは、上記したように「時間」が主役であり、価格が脇役である点です。これはつまり、「いくら」よりも「いつ」に重点を置いているということです。 フィボナッチ でも時間を扱う「タイムゾーン」がありますが、どのように違うのか興味深いところですね。また、雲の表示があることで、「買い」と「売り」の均衡が崩れたことを一目で把握できることも優れた点の一つです。「均衡が崩れた時に大きな動きになる」という考えに基づき、「いつそれが起こるのか」を判断できるようにすることが開発目的のひとつでもあったようです。それに併せて5本のラインもレジスタンス&サポートラインとして機能するのですね。
一目均衡表の表示
3つの基本理論
上記したように、一目均衡表は「波動論」と「水準(値幅観測)論」、「時間論」(日柄観測)で相場が変化しやすい期間を予測します。つまりこれは、期間(時間)の観測に特化し、また価格の変動に対応しているということです。どのような考え方なのかを見ていきましょう。
時間論
上昇相場:初動1波が9日、トレンドは長くても129日か172日で転換すると考えられている
下落相場:初動1波が33日、戻り目は節目で出現することが多いといわれる
波動論
波動には エリオット波動 やチャートパターンがあります。 ライントレード の際によく利用するものですが、Y波動・P波動と同じような「ペナント」があります。波動論に於いては、特にN波動は「すべての波動はN波動に集約される」と考えられ重要視されています 。 ダウ理論 でも基本になる「高値安値の更新」を表しています。
水準(値幅観測)論
一目均衡表の構成と活用方法
5本のライン の活用
- 転換線 :9期間高値と9期間安値 遅行スパンの見方 ÷ 2
- 基準線 :26期間高値と26期間安値 ÷ 2
- 先行スパンA :転換線と基準線の半値を26期間先行
- 先行スパンB :52期間高値と52期間安値の半値を26期間先行
- 遅行スパン :終値を26期間遅行
転換線と基準線
三役好転(逆転)の条件
- 転換線が基準線を上回り、基準線が横ばい、もしくは上向き
- ローソク足が雲(抵抗帯)を上回る
- 遅行スパンがローソク足を上回る
先行スパンA・Bと『雲』
- 雲の厚さは「レジスタンス&サポートの強さ」を表す。薄いところでは弱くなる
- ローソク足のレジスタンス&サポートになる
- 雲の中に入ると「様子見相場」になり、しばらく引きこもることがある
- 雲から出た方向にトレンドが続くことが多い
- 「雲のねじれ」では、トレンド転換がおこることがある
ローソク足終値が雲より「上」 ➡ 買い
ローソク足終値が雲より「下」 ➡ 売り
遅行スパン
遅行スパンは取引方向をはっきり示してくれるため、重要視するトレーダーも多くいます。遅行スパンは現在の終値を含んで26期間遅行させたもので、過去と現在の終値の比較ですが、一目山人自身が「26日遅行スパンが一番大事だ」と言っていたそうです。これは25期間 モメンタム と同じ内容になります。
ローソク足終値が遅行スパンより「上」 ➡ 買い
ローソク足終値が遅行スパンより「下」 ➡ 売り
また、一目均衡表は日足をメインに考案されていますが、もちろん他の時間足でも活躍します。上の画像は1分足で使用していますので、他の時間足に比べて対応が早くできます。 マルチタイムフレーム分析 をすることで勝率もあがります。
株価チャートの一目均衡表の見方
一目均衡表では「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」という5つの指標を計算して、株価チャートに表示します。これらの5つの指標の計算方法は、次の表のようになっています。
計算した日々の指標は線で結びます。また、先行スパン1と先行スパン2の間は網掛けをします。これらの計算方法から、株価は日足を使うので、一目均衡表は通常は日足のチャートと組み合わせます。
株取引で転換線と基準線で株価のトレンドを判断
さらに、株価が下落トレンドから上昇トレンドに変わると、転換線が基準線を下から上に抜きます。これを「好転」と呼び、買いのタイミングと判断します。遂に、株価が上昇トレンドから下落トレンドに変わると、転視線が基準線を上から下に抜きます。これを「逆転」と呼び、売りのタイミングと判断します。
転換線/基準線は、それぞれ9日/26日という期間で計算しているので、短期的な株価の方向を見ることになります。
●転換線と基準線の例
図はトヨタ自動車の2003年1月~7月の日足チャート転換線と基準線の例です。2003年1月に転換線が基準線を上から下に抜いて、逆転の形になっています。そのあと株価はしばらく下落が続いていることが分かります。
株取引でトレンドや押し目・戻りを判断する(先行スパン1,2)
株価が下落トレンドの場合、一時的に戻っても、雲の手前近辺で反落すれば、下落トレンドが続くと言われます。つまり、雲が上値抵抗線のように働くことになります。
●先行スパン1と先行スパン2の例
次の図は、トヨタ自動車の2003年12月~2004年12月の日足チャートに、先行スパン1と先行スパン2を入れた例です。
2004年夏頃までは上昇トレンドで、その間に押し目が3回ありますが、いずれも先行スパンの近辺で反発していることが分かります。また、2004年夏以降は下落トレンドで、戻りが2回ありますが、いずれも雲の近辺で反落しています。
株取引で遅行スパンとは何か
ただし、遅行スパンは株価そのものを後ろにずらしたものなので、ジグザグとした動きをします。そのため、株価と運行スパンは頻繁にクロスする傾向があります。特に、株価の動きが保ち合いになると、クロスする頻度が高くなります。
株取引では基本数値で株価の動きが変化する日を予測する
株価の底や天井からこれらの日数が経過すると、次の底や天井が訪れることが多くなると言われています。次の図は、2002年12月~2003年7月のトヨタ自動車の日足で、節目となった日の間隔を調べてみたものです。これを見ると、基本数値に近い日数になっていることが分かります。
株取引で目標株価を算出する
値幅観測論では、株価の動く形をもとにして、次の上昇(下落)の値幅を予測します。予測の際の計算方法には、V/N/E/NTの4つがあります。直近から株価チャートをさかのぼって安値→高値→安値の所を見つけ、直近の安値をC、その前の高値をB、さらにその前の安値をAとして、次の図のように計算します。例えば、A~Cの各点の株価がそれぞれA : 300円/B : 350円/C : 330円だったとすると、将来のD点の株価は次のように計算します。
V計算式:D=B+(B-C)
=350+(350-330)=370円
N計算式:D=C+(B-A)
=330+(350-300)=380円
E計算式:D=B(B-A)
=350+(350-300)=400円
NT計算式:D=C+(C-A)
=330+(330-300)=360円
●目標株価算出の例
それでは、目標株価を算出する例をあげておきましょう。トヨタ自動車の2003年11月~2004年7月の日足チャートを使います。
まず、図中のA~Dの各点を見てみましょう。D点の実際の株価は4,180円ですが、A/B/Cの各点の株価(3,140円/3,800円/3,390円)から前述の計算式で予測してみると、次のようになります。
V計算式 :3,800円+(3,800円-3,遅行スパンの見方 390円)=4,210円
N計算式 :3,390円+(3,800円-3,140円)=4,050円
E計算式 :3,800円+(3,800円-3,140円)=4,460円
NT計算式 :3,390円+(3,390円-3,140円)=3,640円
V計算式 :4,180円+(4,180円-3,730円)=4,630円
N計算式 :3,730円+(4,180円-3,390円)=4,520円
E計算式 :4,180円+(4,180円-3,390円)=4,970円
NT計算式 :3,730円+(3,730円-3,390円)=4,070円
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